2010.06.29
乙女の文筆 今月の総評~甲斐みのりさんより~
ミンク学園「文筆部」部員のみなさま。
こんにちは。
顧問の甲斐みのりです。
今月の「文筆の種」をお休みさせていただこと、
大変に申訳ございませんでした。
実家を離れ、おとなになってからもずっと、
かわいがってもらっていた祖母が天国へ旅立ち、
お見送りをしてきたのでした。
祖母が長年を過ごした富士山の麓の町へ向かう途中です。
日暮れ前の富士山を、何十年、毎日のように眺めているけれど
何度みても飽きることはないし、涙がこぼれそうになると
いつも祖母が言っていたのを思い出していました
雪や雲や草木や夕日や月や星や山小屋の灯や。
季節や天気や時間で色を違える富士山だけれど。
そのとき私が見つめた美しい山は、祖母との思い出一色。
記号として分かりやすく表された目に見える色の他にも、
感性の色、記憶の色、言葉の色、さまざまな色の感じ方があると、
みなさんの文筆を読み、深く感じ入った次第です。
ひなたさん「小さなイギリスの街」色。
野牡丹さん「引き出しの中の宝物」色。
白い大きな猫さん「生まれる前から知っていた色」。
やむえぐらさん「カゴの中の木苺」色。
原海さん「うさぎのハンカチ」色。
RINさん「彼女のほっぺた」色。
マメノキさん「景色を映す瞳」色。
MOZさん「あの日のスケッチブック」色。
かくれんぼうさぎさん「カメラの中の彼女」色。
小冬さん「心の詩」色。
赤いかめさん「ふたりで見た夕日」色。
ツグミさん「日々」の色。
ひなぎくさん「美術館の椅子」色。
あかるさん「夜を越えて見つめる朝」の色。
みみかんさん「たったひとつ」という色。
ゆめ乃さん「記憶の中の少女」色。
nicoさん「神さまのくれよん」色。
原梅さん「洋服の下の秘密」色、「サイレントブルー」、「彼を見つめる彼女」の色。
あいさん「私の名前」色。
あたらちさん「闇」色。
ばあちゃんはペリカン人さん「北の国の冬の夜の入口の空」色。
徳川千さん「冬のよく晴れた日の月」の色。
mamamaさん「夕陽」色。
みたらしさん「キャンバスという名の猫」の色。
mellowさん「見つめてほしい私」の色。
ぬこさん「水色」でもある「好き」の色。
ののさん「恋」の色。
澄んでいたり、綺麗だったり、切なかったり、やさしかったり、
愛らしかったり、匂いたつような、リズムを奏でるような、
29の色が描かれた「ミンクジャーナル」。
色がただの記号でないこと、
色は言葉であり気持ちであり風景であり音楽であること。
色に宿る、色に潜む、人や自然の気配、
みなさんの文筆が表していたことです。
個人的には
ぬこさんの「水色の人」と、
みたらしさんの「白猫キャンパス」、
ひなたさん「砂糖菓子の街」には、
とりわけ楽しませていただきました。
しかし人は色について語るとき、
まるで絵描きのようにたくみに言葉を
重ねたり混ぜ合わせたりするのですね。
「色・いろ・イロ」。
たったひと言の言葉から生まれた文筆たちを、
愛おしく思います。
みなさん、ありがとうございました。
織姫と彦星が出会う7月にまた!
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