ミンクジャーナル学園

2010.07.28

乙女の文筆 今月の総評~甲斐みのりさんより~

ミンク学園「文筆部」部員のみなさま。
こんにちは。
顧問の甲斐みのりです。


26日は土用の丑の日。
鰻を食べようと思っていたのですが、
どこのにしようか迷っているうちに夜、ジンギスカンに誘われ、
結局、鰻ではない食べもので暑気払いすることに。
これは買いものの話しではないけれど、
買いものって迷えば迷うほど遠ざかってしまうもので、
だからこの頃の私はぱっと見て気に入ったら即決というのが常。
昔のようになんでもかんでも欲しくなる、
という自分ではなくなったからこその早業なのですが。
月に1・2度くらいの早業です。


しっかり栄養蓄えて、
涼し気な川沿いの道を選んで遠回りして帰ったあと。
みなさんの「おかいものノート」を読みました。


ただ欲しいもの、買ったものを並べたてるのではなくて。
欲しいもの、買ったものの向こう側に、
書き手の記憶や誰かを思う気持ちが揺らめいていたので
いわゆる買いものするときの高揚感とは全く異次元の、
切ないような、愛しいような、不思議な読後感でした。


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2010.07.26

野菜炒め 「おかいものノート」

(大阪府 ぬこさま)



物欲でまみれた心がしゅわしゅわ消えてった、


おまえを、好きじゃなくなった


ふらついて真っ直ぐ歩けないかかとの高い黒い靴も、短すぎるスカートも、
私が今まで買ったもんもこれから買うもんも全部あんたのためやったらしい、
今は何も欲しいもん思い浮かばんし、
なんや、なんとも名状しがたい気持ちを落ち着かせようと、
だだだだとミシンを高速でお気に入りの布の上をめちゃくちゃに走らせてみるけどどうにもできやん、
それならと思ってきゅうりをとんとんとんとんと切ってみる、


人参をすこん、すこん、と切ってみる、


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2010.07.26

挑戦したいワケ 「おかいものノート」

(石川県 Yuaさま)



最近の私は挑戦的になった気がする。


いつもは着ないような色のワンピースに、小花模様のサンダル。
女の子!っていう気分にひたれる、可愛いお洋服が欲しい。


服だけではない。化粧品もだいぶ変わった。
手にするだけでウキウキするようなおしゃれなコンパクト。
パッと花が咲いたような頬になれるチーク。
サッと一塗りするだけでツヤツヤうるおうリップグロス。
ぱっちりな瞳が作れる魔法みたいなマスカラ。
どれもまるで宝石のようにきらきらしていて、見ているだけでなんだかどきどきしてくる。


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2010.07.20

福100円也。 「おかいものノート」

(三重県 小冬さま)



あれが欲しいで今月は節約がんばろっ
と、フクザワさんを寝かせといたら
なんと、化粧品がなくなったり、
〔重要〕と書かれた保険の請求があったりして
思わぬ出費に腹を痛めた日、
あれはほんとに欲しいモン?重要?
じゃなかったかもしれへん、と自分に言い聞かせる。
欲しいモンはパラパラときりがないで
きりがないことはそのうち忘れてしまう、バカが役立つ。
そやけど手の届かんモン、
たとえば、ミナペルホネンとか、長~い真珠の首飾りとか、ビートルとかは
キラキラといつまでも憧れという夢の輝きのままうちを魅了する。
憧れを切り抜き、ときめきを咲かせる。


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2010.07.20

朝 「おかいものノート」

(東京都 しずさま)



朝の4時、あなたのお家の窓から外をみる
まだ暗いから危ないから送って行くよとあなたは言う
そうしてふたり自転車で
私のお家へ向かうんだ


赤い自転車と黄色い自転車
道路の真ん中を並んで進む


夏休みどこへ遊びに行こうか
すぐには答えがでないんだ
夜更かしをしたからかなあ


口数が減るとあなたは私の前で自転車をこぐ
華奢だけれどおおきい背中
くしゃっとしたシャツ
折り曲げてまくった袖口


なんだろう
この気が遠のく感じ


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2010.07.20

10年ぶりに君に合うから 「おかいものノート」

(神奈川県 マメノキさま)



かわいいワンピースを買った。


ピンクはあまり着ないから、自分的にかなりな挑戦。


このワンピースには、ちょっとごついショートブーツにしよう。
雑誌に載ってた、かわいいモデルさんみたいに。
ブーツなら、くしゅっとしたソックスがいい?黒いタイツがいい?
迷うよなぁ。どっちも買えたらいいのに。


アクセサリーはどうしよう。
そういえばあのショップにいいのがあった。
バッグはさりげない小ささで、でもお化粧ポーチも入るやつ。


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2010.07.15

思い出メモ。 「おかいものノート」

(熊本県 原 梅さま)



休みの日に部屋の掃除を始めた。
一人暮らしをはじめて5年が経つと荷物も多くなっている。


ぐちゃぐちゃになった一つのメモが出て来た。
そこら辺にあった紙に殴り書きしたのだろう。
以前に片思いしていた人の名前と、実家で飼っている愛犬の名前。
好きなショップのバッグ(イラスト)、黄色い財布と靴下。
と書かれている。
どうやらその時求めたものを書きなぐったようだ。


黄色い財布がお金持ちになると聞いて
おしゃれな黄色い財布を探していた時期があるし、
うまく行かない片思いに悩んでいた頃もある。
ひとりぼっちの部屋が無償に寂しくて、愛犬を思ったのかもしれない。



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2010.07.09

文筆の種~顧問:甲斐みのりさんより

ミンク学園「文筆部」部員のみなさま。
こんにちは。
顧問の甲斐みのりです。


東京は今日、ほおずき市の日。

浅草寺の境内にぎっしりテントがはりめぐらされ、
その中は、オレンジ色のほおずき一色に。

ほおずき鉢には、涼し気な夏の音色を奏でる風鈴がつるされていて、
私は毎年、それを求めるのを楽しみにしています。


>♪さん

「きみ」はどんな人だろうと想像がふくらみます。
好きな人や、家族。
誰かのことを想ってするおかいものって、
自分のものを買うよりも真剣でしあわせな時間ですね。


>辻堂柚吉さん

炫鬼灯、ロマンチックなおかいものですね。
追記が余韻となり、短いながらとても印象に刻まれる文筆でした。


>おはぎさま

短編漫画のような読後。
漫画、とあえて表現したのは
“私と古谷君”が絵画的に目の前に浮かんで見えたから。

きっとFで待つ誰かが、“私”の手のひらに刻まれた
「単三の乾電池」の文字を見つけたら、
なんでもない生活の一片を感じ取ることだろうけれど、
“私”にとっての「単三の乾電池」は本当は
とても大きな一歩なのだと、古谷君でさえ知りえないこと。

とても好きな文筆です。


買ったもの、買いたいもののメモ的なものだけでなく、

なにかを、誰かと、買った思い出や
なにかを、誰かのために、買いたいと感じたことから、

物語が生まれるものなのだと教えていただきました。


文筆の種では本当は、私からみなさまに
書くためのヒントをお伝えしなければいけないのに。

引き続いて、みなさまの文筆をお待ちしています


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<文筆部活動/第13回目> 

 課題:おかいものノート

 締め切り:7月23日(金)

 総評日:7月27日(火)

 投稿はこちらから>>>

※ 今月のテーマのところに「おかいものノート」と入力してくださいね 。

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課題の詳細はこちらの記事へ▼

2010.07.08

単三の乾電池 「おかいものノート」

(長野県  おはぎさま)



友達の結婚が決まり、前祝をしようということになった。
いつものFに7時集合だから・・・と身なりを整えつつ時計をながめる。


「あ・・・」


そうだった。また忘れてた。
時計の針はしばらく前から2時50分をさしたまま止まっていた。


テレビ台の片隅にぽつんと置かれたそれは本当に安い目覚まし時計なのだけど
時間を示す数字の周りには世界各国の地名が書かれたダイヤルがついている。
地名を12時のところにあわせるとその国の時間に針が動くという
ちっちゃいのにすごくスケールはでかい代物なのだ。


しかも1時と2時の間に丸い窓があって月と太陽が交代で出てくる。
月は半分丸窓から去り、太陽にバトンタッチしようとして、そこで電池が切れたらしい。



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2010.07.08

炫鬼灯(ひかるほおずき) 「おかいものノート」

(北海道 辻堂 柚吉さま)



7月7日


・炫鬼灯


七夕祭りの宵に屋台で購入。


屋台の主の口上によると、螢の涙で育てた鬼灯だから暗くなると炫るのとのこと。


穏やかそうな主は、祭りも終わりの頃合いだからと少しばかりまけてくれた。


来年も炫鬼灯の屋台を見つけられたら購入することを約束。


淡い橙色に炫る実が薄い袋をすかしてぼんやりと明るく、小さな提燈を連ねたよう。


暫く文机の上に飾ることにする。



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2010.07.06

いつか 「おかいものノート」

(埼玉県 ♪さま)



いつか


きみのために
すてきなものを買いたい



そのとき私のノートには
なかなか文字が書かれないだろう



きみのよろこぶものは何かな?



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2010.07.05

7月の課題 「おかいものノート」 顧問:甲斐みのりさんより

ミンク学園「文筆部」部員のみなさま。
こんにちは。
顧問の甲斐みのりです。


梅雨あけのニュースはまだですが、いよいよ太陽の季節ですね。
私はカレンダーが7月にかわったと同時に蚊取り線香を取り出して、
東京のビルの谷間にある仕事場の中は、
すっかりと、懐かしい夏の匂いに満ちています。


「色」について書いていただく6月の課題。感覚的なテーマだったので、
7月は具体的なテーマにしてみようと
あれこれ案を練りながら渋谷の街を歩いていたところ。


ふと気がつけば、そこらじゅう「SALE」の貼り紙が。
どうりでいつも以上に、すれ違う女の子たちが
大きな紙袋を両手いっぱい提げているわけです。


そしてみんな、心なしか夏の青空のように表情も晴れやか。
家に帰って新しい洋服に袖を通すときは
女の子にとってとびきり楽しい瞬間ですものね。


先日、小学生4年生になる姪が夜寝る前、
嬉しそうに「おこづかいノート」をつけていたことを思い出しました。


そういえば私も子どもの頃、
買ったものを毎日ノートに記録するのが楽しかったっけ。


それがおしゃれ心が芽生えた高校生くらいからは、
「おかいもの帳」と名前をつけたノートに、
洋服・靴・バック・本・CD・アクセサリー、
欲しいものリストを書き込むように。


時を経て今は、
デパ地下や輸入食料品店、雑貨屋に美術館、旅先で選んだおみやげなど、
買ってみて気に入ったり、よかったものを、
またリピートできるように、友だちにおすすめできるように、
商品名や問い合わせ先など記録するノートをつけています。


おこづかい、欲しいもの、買ってみてよかったもの、
年齢とともに変化をとげてはいるけれど、それはどれもが
私にとっての「おかいものノート」。
書き込むとき、あんなに楽しい気持ちになるのはなぜでしょう。


そうだ!
と思いついた7月の課題。
みなさんの「おかいものノート」を読んでみたい。


なにを買ったか、なにを買おうか。
実際にある日の記録でも、空想の中のおかいものでもいい。


女の子はみんな、「おかいもの」について考えているとき、
わくわく、きらきら、しているものだから。

<文筆部活動/第13回目> 

 課題:おかいものノート

 締め切り:7月23日(金)

 総評日:7月27日(火)

 投稿はこちらから>>>

※ 今月のテーマのところに「おかいものノート」と入力してくださいね 。


特に、こんな風に書いてくださいというルールはありません。
「おかいものノート」といって、あなたが連想することを自由にどうぞ。

楽しみにお待ちしています!

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2010.06.29

乙女の文筆 今月の総評~甲斐みのりさんより~

ミンク学園「文筆部」部員のみなさま。
こんにちは。
顧問の甲斐みのりです。


今月の「文筆の種」をお休みさせていただこと、
大変に申訳ございませんでした。


実家を離れ、おとなになってからもずっと、
かわいがってもらっていた祖母が天国へ旅立ち、
お見送りをしてきたのでした。


祖母が長年を過ごした富士山の麓の町へ向かう途中です。
日暮れ前の富士山を、何十年、毎日のように眺めているけれど
何度みても飽きることはないし、涙がこぼれそうになると
いつも祖母が言っていたのを思い出していました
雪や雲や草木や夕日や月や星や山小屋の灯や。
季節や天気や時間で色を違える富士山だけれど。
そのとき私が見つめた美しい山は、祖母との思い出一色。


記号として分かりやすく表された目に見える色の他にも、
感性の色、記憶の色、言葉の色、さまざまな色の感じ方があると、
みなさんの文筆を読み、深く感じ入った次第です。

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2010.06.24

あふるる 「色・いろ・イロ」

(和歌山県 ののさま)


アナタが好き。
この気持ちを今、色にするならば
ワタシは何を選ぶだろうか。


アナタが好き。
あぁ、この色はこの気持ちは今は
一体何色だろうか。


色・いろ・イロ


アナタが好き。


あぁ、ワタシにとってのアナタはどんな色の人なのだろうか。


色・いろ・イロ


あぁ、なぜだろうか選ぶ楽しさにもったいない気持ちを生むのは。


それでもワタシはアナタが好き。


そうあふるる「いろ」のように。

2010.06.24

なに色? 「色・いろ・イロ」

(熊本県 原梅さま)


あなたから見た私はどんな色をしていますか?


私はオーラが見えるわけじゃないんだけど、
どことなくその人を形容する色がある気がしています。


密かにあなたはみどりっぽいと思っていますよ。


あなたにうつる私はどんな色をしていますか?


それを知る事が出来たら、
あなたが私をどう思っているかわかるような気がするのだけれど。


あなたに私はどうみえていますか?


かわいい色だとうれしいのだけれど…。


そんなことを知りたい理由は、わかっています。


あなたに恋をしているからです。

2010.06.24

水色の人 「色・いろ・イロ」

(大阪府 ぬこさま)


水色、
といっても普通の水色とはちゃうくて、
南の方にある海みたいな明るい水色、
その色ののリュックと
ゆるいパーマのかかった頭を
後ろから見るのが好きなんです。
水色って色、
ほんまは水に色なんてないのに何で水色っていうん、
何で空色って言わんの、
海が青いのは空の色が映ってるからなんやで、
って小ちゃい時にご近所のあの子と喋ってたけど、
もう忘れてしまったんやろな、
ま、そんな事今となってはどうでもいいんですけど。


初めてあんたを知った時、
男子と喋るのが苦手で一言も発さへんわたしでも、
前髪が左に流れる癖が似てるんでわたしのことを妹と呼んだんやけど、
わたしはそれだけで嬉しかった。
それにわたしとあんた、
驚くほど好きなもん一緒やねんな、
多分あんたはわたしの好みなんて知らんねんやろうけど、
好きな髪型も好きな服装も将来なりたいもんも、
嫌いなものまでみーんな一緒やねんで。
ああ、こんなに似てるんやったらいっそのこと
ほんまの兄弟やったらよかったのに。


あんたに大事な子がいるんは知ってるねん。
彼女と私は別に仲良いわけちゃうけど、
その子からあんたを奪おうとか、仲を邪魔しよう、
なんて考えてへん、
2人で幸せになってほしいと思ってる。



あ、靴も水色や。


あ、ギターも
あ、シャツの下にうっすら透けるTシャツも、
ベルトも携帯も腰に付いてる訳分からん小さい袋も。


水色好きなんやろか、
明日聞いてみよかな、
最近喋れるようになってきたし、
聞いてみよかな。
多分あんたはいつもの低く少しかすれた声で


うん、


といつものように力強く答えるんやろな。




先週水色のリボンが付いてるカチューシャを買いました。
頭が痛くなる言うて、
ひとつも持っていなかったんやけど、
少しでも女子らしくなりたくて、
あんたがよく持ってる色を身に付けることで
あんたに近づきたくて、
でも恥ずかしくって外で付いけられへんわ、
やっぱり頭痛いわ、
って、わたし何考えてんねんやろ、
これこそ恥ずかしいわ、何乙女になってんねや。




どうも一昨日くらいから
わたしの帰り道の公園で二人でよく喋ってるな、
昼間には鳩がいっぱいおるんですけど、
夜はもちろん鳩は眠って二人きり。
なあ、何喋ってるん、どしてそんな隅の暗い所におるん。
わたしはその横を気付かれないようにするりと走るんやけど、
いつも失敗やねん。二人ともにこっち見られる。





最近よう目え合うなあ、
ま、こんだけあんたの方見てたら当たり前なんですけど、
そん度に笑いかけられたら期待してしまうやないの。







なあ、こんな事ばっか考えてるわたしって、
あんたのこと好きなん?

2010.06.24

ルージュ 「色・いろ・イロ」

(高知県 mellowさま)


人の目の構造だとか
光の反射だとか
そんなことは重要ではない
肝心なのはあなたの心が今何を思うのか
何を感じどうしたいのか
だからねえ、見つめてよ
あたしの唇の色を

2010.06.22

白猫キャンパス 「色・いろ・イロ」

(大分県 みたらしさま)


近所にいる野良猫。
真っ白な猫。


私はその猫を「キャンバス」と呼んでいる。


仕事で疲れた時、のんびりしたい時、よくキャンバスの側に行く。
キャンバスは、人懐こいとはとても言えない。
大抵の野良猫がそうであるように、自分の体に手を触れられることを嫌がる。


触れられない猫を、一定の距離からじっと見つめる時間。
だんだんと心の中が整理されていくのが分かる。


キャンバスの真っ白な体に、想像の中で色を付けていく。


今日のモヤモヤしている気分の色。
今の生活に求めている色。
欲しいけど、手が出せない服の色。


そんな自分の中にある色を、白猫をキャンバスにして塗っていく。


色づいたキャンバスは、自分を真正面から見つめなおさせてくれる。
自分の色に気付かせてくれる。


キャンバスは、色を塗られていることに気付いているのか 塗っている間、そこに居てくれる。
塗り終わると、色づいた体でコチラを見つめ
「分かる?これが今のあなたの中の色よ」 という顔をした後、すっと居なくなる。


それは、自分の中が軽くなったことに気付く瞬間でもある。


今日も、キャンバスは真っ白な体と心でご近所巡りをしている。
まるで 晴れた日の雲のように。


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<文筆部活動/第12回目> 

 課題:色・いろ・イロ
 締め切り:★明日★6月23日(水)
 総評日:6月28日(月)

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2010.06.22

サイレントブルー 「色・いろ・イロ」

(熊本県 原梅さま)

明け方のころを、サイレントブルーと言うらしい。


いつか見た映画で言っていた。
なんの映画だったか、ストーリーも覚えていない。
そのシーンを見て、私の好きな時間の名前を知った。


サイレントブルー。
いい名前だと思った。


その時間に起きている事はそんなに多くないけれど、それは特別な時間。
一人部屋でその時間を過ごすと、
「独り」
だと思う。
不思議と寂しくはない。
いちからはじめられるような気持ちを含んだ、高揚感。
世界を独占したような、そんな気持ちにもなる。
静かで、凛とした空気。


誰が名付けたんだろう。
サイレントブルー。

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<文筆部活動/第12回目> 

 課題:色・いろ・イロ
 締め切り:★明日★6月23日(水)
 総評日:6月28日(月)

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2010.06.22

オレンジ 「色・いろ・イロ」

(東京都 mamamaさま)
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夕陽色に染まった空をみていると、私も夕陽色に染まる。


夕陽の沈む海をみていると、海の水が温かくなっている気がする。
本当に太陽が海に入ってるわけでもないのに…。


オレンジ色がわたしをあたためてくれているのだろうか?


太陽がオレンジ色でよかったな。

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<文筆部活動/第12回目> 

 課題:色・いろ・イロ
 締め切り:★明日★6月23日(水)
 総評日:6月28日(月)

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2010.06.22

「白い月」 「色・いろ・イロ」

(静岡県 徳川千さま)


冬のよく晴れた日 一人きり歩いていたら
雲のない 青い空に 白い月を見つけました
あらなぜか月が出ている ついつい笑みがこぼれます
だってまだ三時 ちょうどおやつの時間だけれど
どうしたの? まだあなたの時間じゃありませんよ
起きちゃったの? それとも沈み忘れたのかな。
いつまでも沈まない白い月は まるで迷子
帰り道忘れた私みたいに 一人きり
いつも一緒の星はどうしたの?
寂しいって泣きはらして白くなったあなたのお顔
でも大丈夫 もう少ししたらあなたの時間
そしたらいつも通り輝けるわ 星にも会えるよ
でもなぜかしら、とても元気付けられるわ
だからもう少し沈まないで そこにいて


冬のよく晴れた日 日向ぼっこをしていたら
澄んだ空気 青い空に 白い月を見つけました
あらあら、こんにちは ついつい心が和みます
だってまだ十三時 ちょうど日が真ん中にいるけれど
どうしたの? まだ出てくるには早いですよ
時間を間違えたの?それともおうちに帰ってないの?
昼間に輝く白い月は まるで抜け殻
何かを失くしてしまって いつまでも探してる
いつもの輝きはどうしたの?
作り笑顔さえも忘れて 消えてしまいそうなあなたのお顔
でも大丈夫 もう少しすればあなたの時間
そしたらいつも通り輝けるわ 笑顔も取り戻せるよ
でもなぜかしら ものすごく暖かいの
あなたを見てるとすごくやさしくなれるの
だからもう少しお話してましょう


冬のよく晴れた日 窓を開け憂鬱を追い出していたら
流れ込む 寒気の向こうに 白い月を見つけました
お呼びじゃありませんよ さようなら
出直してくるといいよ こんなにも眩しいのだから
この声は届かないの? やっぱり君は遠くなの?
憮然として 青い空の端 白く佇む君
怒ってるの? だけど 今なら手が届きそうだよ
魔法を帯びて輝く 夜の君とは違うから
あぁ君がうすらいでいく 昼下がりの気まぐれは終わり
せめてちょっとくらい触れてさせてくれてもいいのに
今日も私の声は届かない
待ってもう少しだけ
胸に抜けるこの何かが分かりそうなの
届かないけれど 待って もう少しだけ


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<文筆部活動/第12回目> 

 課題:色・いろ・イロ
 締め切り:★明日★6月23日(水)
 総評日:6月28日(月)

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2010.06.22

その青の名前は何かと問えば 「色・いろ・イロ」


(静岡県 ばあちゃんはペリカン人さま)

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冬の北欧に行ったことはあるだろうか?
北欧の冬の夜は早い。
マイナス40度の冷えた空気に海も川も樹も土も凍り
雪と氷に閉ざされている。
極限まで色彩を欠いた北欧の冬。
空も空気も水も山も道も、色を忘れて眠っているようだった。


夜への入口。
その短い時間にそれはやってくる。
無彩色の世界にあまりに突然現れる
空の、青。
こんなに綺麗な青をわたしは見たことがない。
この青を一体どう形容したらいいのか。
世界のどこにこんな青が隠されていたのか。
漆黒の闇にも負けない深さ。
太陽の明るさにも劣らない強い、青。
海とも違う、山にはない青。
世界中の涙を集めてもきっとこんな青にはならないだろう。


そこでわたしはふと考える。
一生で目にする色は一体どのくらいだろう?
1,000色?10,000色?もっと、もっと?
その全てに名前が存在するとしたら・・・
あの青はどんな名前を持っているのか。


わたしなら、あの青に
どんな名前をつけるだろう。

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<文筆部活動/第12回目> 

 課題:色・いろ・イロ
 締め切り:★明日★6月23日(水)
 総評日:6月28日(月)

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2010.06.18

闇色 【色・いろ・イロ】

(京都市 あたらちさま)



太陽が沈みかけるときから、
次第にまわりの色は変わり始める。


朱鷺色のような夕焼け

完熟トマトのような日没

いわし雲だらけのまだらな夕刻


だけど


一番、気になるのは


太陽が沈みきった後の
闇。



街中では
なかなか出会うことのできない、
本当の闇。



前なのか
後ろなのか
近いのか
遠いのか


全くわからない


だけど
不思議なことに

恐怖心は、ない。


包まれているような感覚さえ覚える。


闇に色はないのかもしれない。


だけど
目には見えない



不思議な色で
全てを包み込んでいるように

思う。


感じる、色。


それが
私の思う


闇色。




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<文筆部活動/第12回目> 

 課題:色・いろ・イロ
 締め切り:6月23日(水)
 総評日:6月28日(月)

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2010.06.18

あい 【色・いろ・イロ】

(広島県 あいさま)



「名前に色を入れたかったのよ」


小学二年生の時、名前の由来を母親に教えてもらった。





渋い色合いの名前が、私は特別好きではなかった。



もしも自分が、愛、なんて名前だったなら、もっと素直に生きてこられただろうか。


ずっとそう思っていた私の色のイメージを、覆してくれたのは、

私にこの名前と命を授けた、父と母だった。



母親はみどりという。やわらかくて、うつくしい名前だ。

本人は50を過ぎた今も、生き生きと、自由に暮らしている。



ふと気づいたことを、父親に話してみた。


父は猛々しい山の名前を持っている。


「父さんひとりだったら、もっと強い家だったのかもしれないね。
母さんがいるから、険しい山でも柔らかいみどりがあるような、こういう家になったのかも」


父は笑って納得してくれた。



「それなら藍は、出藍の誉れだな」



私の名前はことわざになっていた。


青は藍より出でて、藍より青し。


藍は美しい青の元になる。


そっか、私は合点がいった。



私の職業は教師。


もしも私の教え子が、私を超えて、もっともっと美しい青になるのなら、

この名前も、案外悪くはないのかもしれない。


「なかなか良い名前つけてくれたじゃない。ありがと!」


これからは、色と一緒に、自分もちゃんと愛せそうです。




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 課題:色・いろ・イロ
 締め切り:6月23日(水)
 総評日:6月28日(月)

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2010.06.18

乙女と下着 【色・いろ・イロ】

(熊本県 原 梅さま)



フラレタ。


二年付き合った彼なのに、終わりはあっけない。


彼のそんな素振りにまったく気がつかなかった私は、
自分のアホさ加減に嫌気がさして、



「そっか。」


と言ったら彼は消えた。



一昨日買ったピンクの下着をおろした。
いつも、色気のない下着って笑われてたから、
女の子らしくてかわいいやつ。


彼に見せたくて。


ピンクのかわいいブラとパンツをつけて、
鏡の前で仁王立ち。



「よしっ。」



気合いを入れたつもりなのに、涙が出てくるのです。
彼の気持ちの変化に気がつかなかったおろかもの。




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<文筆部活動/第12回目> 

 課題:色・いろ・イロ
 締め切り:6月23日(水)
 総評日:6月28日(月)

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2010.06.18

神様のくれよん 【色・いろ・イロ】

(兵庫県 nicoさま)

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神様は優しいからこの世界に色をくれた
真っ白じゃつまんないし
真っ黒じゃ寂しすぎるから
素敵な色をたくさんたくさん創ってくれた


真っ青な空が気持ち良いね
緑の草が風に揺れる
キラキラ輝く金色のおひさま
真っ黒な空には小さな水玉模様


知らない間に憶えた色の名前


でも時々不思議に想うの


どうして空は青じゃなきゃいけなかったのかな、とか
緑色のお月様があったっていいじゃない、とか


自由に描いて良いのよって先生は言ってたのに
私の描いた絵を見て
本当にこんな色だったのって眉を顰めた
それが酷く悲しかったことも憶えてる


大きくなるにつれて周りの大人は「あなただけの色を」って
私だけの色ってなに色?
私は私の色でなくちゃいけないの?
それがとても窮屈だったことは今も変わらないけれど


あなたが教えてくれたことが一つある


世界はいっぱい変わっていくということ


溢れて色は混ざり合って新しい色を創っていく
名前がない色なら
それに似合う名前を自分でつければいいってこと


私だけの色はどんどん変わっていってもいいってこと


そう、神様は世界に色をくれた
とてもとても素敵な色を
いろんな色で新しい色を創っていけばいいよって


神様がくれた色で
私は私だけの色を創ればいい
たくさんの色を その時々で混ぜたり薄めたりしながら


ねえ 私の色はあなたにどんな風に見える?


キラキラ輝く虹みたいに
自由自在に変わっていくよ


ねえ 私の色も好きになってくれるかな




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<文筆部活動/第12回目> 

 課題:色・いろ・イロ
 締め切り:6月23日(水)
 総評日:6月28日(月)

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2010.06.16

色の記憶 「色・いろ・イロ」

(神奈川県 ゆめ乃さま)



感動するほど美しい人を、私はあと何度みかけることが出来るのでしょう。


銀座のカフェで同伴出勤をしていた、黒い着物姿のクラブのママ。
上品な淡いブルーのスーツを着こなした、銀髪のご婦人。
バレエ教室で、薄紫のレオタードに身を包んでいたあこがれの先輩。
シンプルな紺色のワンピースばかり着ていた、大学の助教授。


その中でも一番記憶に残っているのは、私が中学生のときに出会った一人の少女です。
塾の夏期講習を受けようと、申込カウンターで並んでいるときに出会った、
同い年であろう少女。
まるで画集から抜け出てきたかのような可憐な少女。
その後教室でも彼女の姿を探しましたが、一度も見つけることが出来ませんでした。


彼女が身につけていたのは、白いワンピースと珊瑚のネックレスでした。


美しい人の記憶は、何故かいつも色と結びついています。




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<文筆部活動/第12回目> 

 課題:色・いろ・イロ
 締め切り:6月23日(水)
 総評日:6月28日(月)

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2010.06.16

わたしだけの色 「色・いろ・イロ」

(京都府 みみかんさま)



人にはそれぞれにその人の「色」が存在すると思う。



それはその人がよく着ている服の色や好みの色なんかじゃなく
その人自身をあらわす特別な「色」


この特別な「色」はとても言葉で言い表せるものではなく
自分自身でしか作り上げられない大切な色



悩んで


苦しんで


報われて


喜んで


しあわせで


そうやってコロコロ変わる心に応じて色が塗り重ねられて
自分だけの色がつくられてゆく



うまく色が混ざり合って素敵な色が出来上がることもあれば
逆に反発してしまう色もあったりして



いったいこれからどんな色になっていくのかな


そんなことを考えながらいきていく


そして描いていく


他人にわかりなんてしない
自分だけがその色を知っているのだから


わたしだけの大切な



「色」




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<文筆部活動/第12回目> 

 課題:色・いろ・イロ
 締め切り:6月23日(水)
 総評日:6月28日(月)

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2010.06.16

Blue Morning 「色・いろ・イロ」

(大阪府 あかるさま)

一日のおしまいに、わたしは好きな色に出会う。


わたしは、人とは違う生活リズムで生きている。
一晩中徹夜で作業をしていて、もう寝なくてはと思いふと窓を見てみると、
ブラインドカーテンの隙間から青い世界がこちらを覗いていた。


来た来た。


わたしは嬉々として、ブラインドカーテンを開ける。


夜が明け始めて、だんだん明るくなってゆく途中の、青い朝。
空も、木々も、建物も、電線も、窓から見えるもの全てが青に染まっている。
まるで、青いフィルターを通して見ているような感覚に陥る。
わたしはそんな青い世界が、何よりも大好きだ。


そんな美しい朝を満喫したいけれど、
睡魔はさっきからわたしのすぐ隣に居て、「早く早く」と眠りに誘う。
眠い目をこすりながら、わたしは最後の力を振り絞り、ブラインドカーテンを閉める。
青い朝に見送られながら、わたしはようやく一日を終えた。


一日のおしまいに出会う色は、わたしの心を捕らえて離さない。


今の生活をしていなければ、決して出会わなかった色。
そんな特別な関係も、また良いと思っている。


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<文筆部活動/第12回目> 

 課題:色・いろ・イロ
 締め切り:6月23日(水)
 総評日:6月28日(月)

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2010.06.16

黄色の椅子 「色・いろ・イロ」

(埼玉県 ひなぎくさま)

あふれる色彩の海を前にする時、
人は少なからず芸術家になる。


それはある晴れた日に、ふらりと訪れた美術館での出来事でした。


洗練された室内装飾と、重厚な作品群を抜けた先に
その絵は真っ白い壁にもたれ掛かるようにして、静かに佇んでいたのです。


目の覚めるような黄色い部屋の中心に
ぽつんと置かれた黄色い椅子。


凝った趣向もなく
描かれていたのはただそれだけでした。


そしてそれだけなのに。


こんなにも美しい色がこの世にあることを私は初めて知ったのです。


たたきつけるような荒々しい筆の跡に残る、
幾筋もの琥珀のような輝き。
キャンバスから湧き上がる原始的な力強さ。


そして幼い子供のような初々しさとか弱さを持ちながら
見上げた月のように、吸い込まれそうな光と闇を同時に宿している。


私はうっとりと眺めながらその果てしなく続く黄色い景色の中に、
幾重にも絡み合ったカオスを見たのです。


たとえば絵が人を現すものならば
部屋は不安定で繊細な画家の心の色。
そして黄色い椅子は画家の魂そのものなのでしょう。


私はそっと胸に手を当てて
鼓動に耳を傾けました。


私の魂だけが持つ色は一体何色なのでしょうか?
誰かの心を強く動かすような美しい輝きを持っているのでしょうか?


そしてこの画家のように絵は描けなくても
美しい色であふれる心を持ちたいとそう願ったのは
黄金の輝きを持つ椅子の絵に出合ったのがきっかけでした。


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<文筆部活動/第12回目> 

 課題:色・いろ・イロ
 締め切り:6月23日(水)
 総評日:6月28日(月)

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2010.06.16

思い返せば、いつも 「色・いろ・イロ」

(大阪府 ツグミさま)

色は私にとって大切な遊び相手だった。
幼いころ、クレヨンや色鉛筆で、でたらめな線画をひいたり、
塗り絵のお姫様のドレスを少女らしい色使いで塗ったり。


年を経て、色は塗って遊ぶだけでなく、その色のもつ名前の
美しさを愛でるようになった、浅黄、萌黄、金茶、藤、群青、鳶……
とりわけ、和の名をもつ色に惹かれた。


線画や塗り絵がイラストになり、画材屋で手に入る様々な画材を使って
どっぷり色の世界にいた。画材だけではおさまらず、
自費出版の形で印刷で色と遊ぶこともあった。
発色の優れたフルカラーも、もちろん素敵だったが、
心惹かれたのは色に色を重ねる、多色刷り。
その組み合わせの多種多様さに夢中になった。


そして、その色たちとのつきあいは、現在も形を変えて、続いている。
部屋のインテリアを考えるとき。
子供の絵から、その子供の心を知ろうとするとき。
そして何より、糸と布地を目前にしたとき。


色たちは、いつも、どんな形になっても、私のそばに寄り添っていてくれる。
わたしの心を、豊かに、ときに露わにしてくれる、大切なもの。


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<文筆部活動/第12回目> 

 課題:色・いろ・イロ
 締め切り:6月23日(水)
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2010.06.15

「色・いろ・イロ」


(山形県 赤いかめさんさま)


昨日、あなたが綺麗だよといった沈みかけた夕日は、
真っ赤で本当に綺麗だったけれど、私の心にはちっとも響かない。


今日、私が一人で見た沈みかけた夕日も、真っ赤で綺麗だったけれど、
昨日あなたと見た夕日よりかすんでいて切なさが胸を打つ。


恋に焦がれ一緒にいるだけでうれしかった気持ちを忘れてはいない。


今の私は欲張りですべてが欲しい。あなたに私のすべてをわかって欲しい。


言葉にしない、言葉に出来ない気持ち。真っ黒な気持ち。


あなたがもしこの窓辺に現れたら、今度は私が言おう「今日の夕日は綺麗だね」って。


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<文筆部活動/第12回目> 

 課題:色・いろ・イロ
 締め切り:6月23日(水)
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2010.06.15

シロップ 「色・いろ・イロ」

(三重県 小冬さま)

瞼のうらを焦がせ
かき氷にシロップをかけるように
涙がドロップスに変わるように


そこの退屈している子につみ木を
リクルートスーツは爽やかにかるく
テーブルの上に果実
病室の苦い天井にモビール
闇に火
戦場を花畑に


香りの色
時の色
音の色
気分の色
今日のリップスティックの色


流れる毎日のライブに紛れて
風に吹かれて
色とりどりに
混じり合い うたい 溢れ 分離し 捨て 迷い 嗅ぎ 選び
歩くちいさな発光体たち


蛍はどこかな


ひといろ ひといろ
それぞれの色に染まりながら
織りあげては
奏でる旋律


今年もあなたの目に
夜空の花が咲きますように


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<文筆部活動/第12回目> 

 課題:色・いろ・イロ
 締め切り:6月23日(水)
 総評日:6月28日(月)

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2010.06.15

石の花 「色・いろ・イロ」


(北海道 かくれんぼうさぎさま)


赤色やや大判
貼付用モノクローム写真
海外渡航用小冊子


フォーカス
クローズアップ
純白のドレス


カラメルポリマー溶解時を思わせるブーケの香り


パスポートセンターで
カラー写真を選択する彼女のあたらしい小冊子


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<文筆部活動/第12回目> 

 課題:色・いろ・イロ
 締め切り:6月23日(水)
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2010.06.11

優しい色 「色・いろ・イロ」

(兵庫県 MOZさま)

M01  M02  M03


私は数年前、心の調子を悪くして、ずっと外に出ることができず、
ひとりの世界に籠っていました。その時の事は何故だかあまり覚えていないのですが、
ある日突然私は母に
「水彩絵の具と筆が欲しい。」
とせがんだそうです。


今まで絵を書くことにほどんど興味を持っていなかった私が、一日中筆を握りしめ、
ずっと色の中で遊ぶようになりました。


形には興味がなかったので、好きな色で紙を塗ってゆくだけ。
音楽もかけず、ずーっと色の湖の中に浸かっていました。


スケッチブックが10冊を越えたころ、私はだんだん元気を取り戻し、
大学にも通えるようになりました。


あとになって母に
「あなたは自分で好きな色を作りだすことによって、自分を癒してたのね。」
と言われ、確かにそうだったと気付きました。
とても優しい色たちでした。


上手く話せないことを、色を通して伝えようとしていたのかもしれません。
余計なことは何も考えないようにと、心がストッパーをかけていたのかもしれません。
色を通して森や空にお散歩に行っていたのかもしれません。


元気になった今は、当時のように、色を踊らせることはできなくなってしまいました。


それでも、残った色たちは、今でも私を優しく励ましてくれています。

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<文筆部活動/第12回目> 

 課題:色・いろ・イロ
 締め切り:6月23日(水)
 総評日:6月28日(月)

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2010.06.11

追憶は墨色 「色・いろ・イロ」

(神奈川県 マメノキさま)

今も思い出す風景


夕闇に沈んだ帰り道 雨が降っていた
すれ違いざま 渡された傘 微かな温もり
しずくが落ちる 雨の色


全てが終わった春の夜 梅が香り高く咲く
君はいない まるで隣にいる様なのに
散る散る梅の はなびらの色


記憶の向こう側で 思い出は色あせるという
褐色の靄に閉ざされ 鮮やかな色を失うという
けれども ほんの微か こころをかすめる色がある


今も思い出す風景
君を想う時 甦る色彩
一番に思うのは 黒


私が一等好きだった 君の眼の色

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<文筆部活動/第12回目> 

 課題:色・いろ・イロ
 締め切り:6月23日(水)
 総評日:6月28日(月)

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2010.06.11

火照る頬 「色・いろ・イロ」

(東京都 RINさま)

Photo


 淡く、ピンク色に染まる頬を、僕は梅雨のじっとりとした暗い景色の中で見つめる。
 じめじめする。暑いね、汗が出るね、と恥ずかしそうに口を開く彼女。
 空の青さは灰色の雲に消され、色を失ってゆく。まわりの景色も、霞んでゆく。
 けれども、彼女の頬は、まるで雨に打たれながら健気に咲く、ピンクの紫陽花のよう。
 そこだけが、明るく照らされている。本当に愛おしいと思った。

 優しい色に包まれて
 彼女が朗らかに笑っている

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<文筆部活動/第12回目> 

 課題:色・いろ・イロ
 締め切り:6月23日(水)
 総評日:6月28日(月)

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2010.06.10

からふる 「色・いろ・イロ」

(熊本県 原梅さま)

「何色がすき?」


なんて質問なの。


それなのに隣にいたうさぎはピンクと答えました。
確かにうさぎはピンクのハンカチを持っていました。


私はびっくりしました。
その質問にも、うさぎがはっきり答えた事にも。


私はぼんやりしてしまいました。
だって、私は好きな色をもってないもの。
うさぎの好きなピンクだって、とてもかわいくてうっとりしてしまう。
でもブルーだってグリーンだって、白だって黒だって、グレーもベージュも
もうなにもかも、なにもかも。
みんなすてきな色だもの。
どれか一つが好きだなんて。
選びきれない…。


まるで、
「君のことが好きだけど、あの子の事も好きなんだ」
なんて言った、いつかの彼みたい。


ねぇ、あなたの好きな色は?

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<文筆部活動/第12回目> 

 課題:色・いろ・イロ
 締め切り:6月23日(水)
 総評日:6月28日(月)

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2010.06.10

赤 「色・いろ・イロ」

(茨城県 やむえぐらさま)

Photo

木苺の季節になった。


田舎育ちでよかったなと思う時期だ。
私はいそいそと里山に入る。
木苺は、梅雨に入る前の、ちょうど今頃に最盛期を迎える。
よく「採ったらジャムにするの?」と言われるけれど、ジャムにはしない。
多くは採れないし、一粒は小さいし、種が多いから。
それでも、爽やかな酸味と甘さは、市販の苺にはないもの。


カゴの中に、木苺を見つけては、放り込んでいく。
なんだかんだで、両の掌いっぱいの量を採った。


家に帰ったら、木苺を塩水に浸す。
掌に、木苺の涼やかな甘い香りが移っていた。
よくよく洗って、お皿に乗せる。
一粒、二粒。ほとんど、その日中に食べてしまう。


小学校の通学路にも、木苺は生えていた。
「秘密だよ」
といって、あの娘と一緒に食べた。
あの時の木苺は、とりわけ赤かった。
私の網膜に、あれほどの赤は、もう映らないんじゃないかと思うくらい。


あの娘はいま、どうしているだろうか。
ぼんやりと、夕日を見ながら思いを馳せる。


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 課題:色・いろ・イロ
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2010.06.10

「色・いろ・イロ」

(京都府 白い大きな猫さま)

私達の身近には、美しい色が溢れている。

例えば、きれいに塗れたマニキュアを見て自己満足に浸る。
やり遂げた達成感と同時に、私達が女で良かったと感じる大切な時間であると思う。


先日、カラーセラピーの一種である、オーラソーマを受けた。
本で見るよりも、実際のボトル達にはうるんだような透明感があり、とても美しかった。
初めて受けたカラーセラピーは、実によく当たっていて、怖いくらいだった。
本能が求める色が、手にした色。
そこにはやはり嘘はないのだと感じた。


『色』はすべてにおいて美しい、と私は思う。
汚い、と言われてしまうようなものは、色が汚いのではなく、
そのもの自体に汚らしさを感じているだけなのではないか。


日本伝統の色を知っていますか?
色の美しさだけでなく、その名前もまた、気品すら感じる伝統美。
ずっとずっと昔から、日本には美しい色があった。
薄紅、萌黄、沈香茶(とのちゃ)、御召茶(おめしちゃ)なんてものも。


日本人が桜を愛でるように、私達が『色』に惹かれる理由は、
もうとっくにDNAに組み込まれていたからなのかもしれない。


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<文筆部活動/第12回目> 

 課題:色・いろ・イロ
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2010.06.08

箱の色 「色・いろ・イロ」

(野牡丹さま)


母の鏡台の引出しの奥には、ましかくの赤い箱が入っていた。

幼い頃、その箱を宝物を発見したかのようにわくわくした気持ちで取り出し、
母の元へ走った。

「おかあさん、たからものがあったよ。」

母は、その箱をきらきらした笑顔で差し出す私に、そっと微笑みながら、

「そうだよ。これは宝物なの。お母さんの、宝物だよ。」

と言った。

「あたしにこれちょうだい!」

と私が甘えると、母は少し困った顔をした。

「うーん。残念だけど、これはお母さんのだから駄目なの。」

母はそう言って私をひざの上にのせ、その箱をそっと開けた。

赤いましかくのその箱の中には、漢字で「寿」と書かれ、
中からダイヤモンドの指輪が出てきた。

「この箱は、お父さんがお母さんにくれた宝の箱なの。
うんと大人になったら、あなたにもこの箱をくれる男の人が現れるのよ。
今この箱をもらっちゃたら、大人になってからもらえなくなっちゃうよ。
だから、その時まで待っていないとね。」

母はそう言って、赤い箱を愛おしそうに眺めた。

「じゃ、あたしはピンクがいいな。おおきくなったら、ぜったいピンクの箱をもらうんだ!」

私はそう言って、母のひざから飛び降りた。

それから何年も経った今も、時々、想像してみる。

そのましかくの箱を。

淡いピンク、シックなブラウン、ミントみたいなブルー、

私がもらう箱の色は何色だろう。

その箱の色は、私の人生に訪れる奇跡のようなしあわせの色なのだ。



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 課題:色・いろ・イロ
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2010.06.07

砂糖菓子の街 「色・いろ・イロ」

(埼玉県 ひなたさま)

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糖菓子のような住宅街、を、みたことがある。


そこはイギリスのちいさな街だった。にぎやかな都心部からも、美しい田舎からも、
少し距離を置いたような場所。
立ち並ぶアパート(Flatと呼ばれている)は、形こそ似たり寄ったりではあるものの、
そのぶん壁やドアは見事に色とりどりだった。
"色とりどり"ではあるけれど、奇抜な色は見当たらず、きちんと調和がとれている。
愛らしく並んだ姿はまるでマカロンや、アイシングクッキーのようで、
どうしたって私はときめかずにいられなかった。


ひとつひとつ家を眺めながら、そこに住む人々について私は想像をめぐらせた。
すきな色を選んだのだろうか。それは「誰」がすきな色なのだろうか。
愛しい妻のために、旦那さんが塗ったドアなのだろうか。
もしかしたら、あそびにくる友人のために選んだ色なのかもしれない。
それとも、となりの家に合わせて色を選んだのだろうか。
「この色はどうだろう」と隣人に相談してみたのかもしれない。


きっと、色の数だけ物語があるのだろう。
そう考えて私は、胸の奥がやさしく色づいたような気がした。
いつか自分の家をもったら、ドアは自分たちで塗ろう。
だいすきな淡いグリーンのペンキを塗って、アンティークの茶色いドアノブをつけよう。




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<文筆部活動/第12回目> 

 課題:色・いろ・イロ
 締め切り:6月23日(水)
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2010.06.03

6月の課題 「色・いろ・イロ」 顧問:甲斐みのりさんより

ミンク学園「文筆部」部員のみなさま。
こんにちは。
顧問の甲斐みのりです。


4月から、ものつくりの学校で、
イラストレーターの網中いづるさんとともに
「雑貨とものづくり」という講座の講師をつとめさせていただいています。
オリジナルの便せんやラッピングペーパー、
エコバックやブックカバー、ノートや名刺など、
本格的な絵を描くことができなくても
模様をつけたりコラージュで雑貨つくりを楽しむ内容。


生徒のみなさんひとりひとり、人柄が浮かび上がったものが完成して、
その過程や完成の時間に立ち合う間、私自身、教えられることがたくさんあります。


そんな中、感じていたことが、みなさん「自分らしい色」をよく知っていること。
完成したものを見ていると、それぞれ好んで使ったり選んだ色が、
本当にその方らしくあるのです。


講師をつとめさせせていただいてる学校とはまた別に、
あるお絵描き教室でスタッフとしてお手伝いさせていただいたときのこと。
絵を描くのに「青色」しか使わない男の子と出会いました。
クレヨンやマジック、教室にあった青色の画材を机に集め、
白い画用紙を青で埋めていくのです。
その子どもには、まるで世界中のものが青く見えているように。
夏の夜明けの頃、夜明け前の空だけでなく、
空気そのものが青く染まり
この世の中が青のベールに包まれる瞬間があることを思い出しました。


好きな色。
見たことのある風景。
言葉の響き。


「色」ただその一文字から
あなたが連想するのはどんなことでしょう?


「色」を言葉で描いてください。





<文筆部活動/第12回目> 


 課題:色・いろ・イロ
 締め切り:6月23日(水)
 総評日:6月28日(月)


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あなただけの「色」をつくってくださってももちろん結構!
minnk journalという原稿用紙が、賑やかに染まっていくのを楽しみにしています。


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2010.05.27

乙女の文筆 今月の総評~甲斐みのりさんより~


ミンク学園「文筆部」部員のみなさま。
こんにちは。
顧問の甲斐みのりです。


さっそくですが「マイブックレビュー」、
とても楽しく、そして感心しながら読ませていただきました。
本が内包している世界観と、その本を読んだ「ひとり」が
いきいきと調和し、文筆として完成されたブックレビューばかりで。


短い文章の中でも、本にどんなことが書かれているかわかるうえ、
その本の魅力を私たちに教えてくれるその人が
どんな人であるのかも伝わってきました。


それはただ「本の紹介」がされているのではなくて、
もっとリアルで愛のこもった「余韻」が
言葉として映し出されたからなのでしょうね。


ひとりひとりへコメントをしようかとも考えたのですが、
今回は、なんだかそうすることよりみなさんがかざしてくださった本を
実際に手にとることのほうが重要な気がして。
(文筆の種ではコメントさせていただいたのですけれど)


外を歩くのが気持ちのよい季節だからしばらく
仕事前に図書館に通うことになりそうです。


『手ぶくろを買いに』のブックレビューでは
お母さまへの気持ちが描かれていましたが、
私も母の日には毎年、花や雑貨とともに本を贈っています。
今年は2冊の本を贈りました。


誰かへ贈りものをするとき、
「私だけのブックレビュー」を添えた本を
包みの中へしのばせてみてください。


みなさん、すてきなブックレビューをありがとうございました!


さて、6月の課題はどんなものにしましょうか……。
また次の月に。




2010.05.24

永遠の女の子に逢いに行きたい「マイブックレビュー」

「世界だもの。世界は確固たるものでなきゃあ」

『すきまのおともだちたち』 江國香織(集英社文庫)

仕事で来た街をぶらりと歩いていつのまにか迷い込んだ不思議な町。
自動車も運転できる「お皿」と一緒に暮らす、「おんなのこ」の家でおもてなしをうける「私」は、
大人になってしまった今の私。
永遠に変わらない、「おんなのこ」に遠い過去の私を重ね合わせてみたりして。

読んだいる間、私もすきまに落ちてしまって戻ってきたくなくなるような、時間という概念から解き放たれた穏やかな小説でした。
おんなのこの作るさまざまなごちそうでもてなされながら、
私も「おんなのこ」に戻って長話するのも悪くない、
なんて、娘をもたない私は少し、憧れてしまったのです。


(お名前無記名でした。)



2010.05.24

永久不滅のエレガンスのルール 「マイブックレビュー」

(群馬県 LALA♪さま)

056

小説を読むように一度最後まで読みとおし、
それから、
何年後も何度も、ページを繰っては読み返す。

わたしの人生、この本とずっと一緒に、
生きていきたい。

…そんな本にめぐりあえる幸せ。

ウインドウショッピングで目がまわりそうになったとき、
すてきなバッグでお財布が空になりそうなとき、
衣替えのクローゼットを開けるとき、
お友達の家にお呼ばれするとき、

辞書をひくように探し求め、
メガネをかけなおして、
熱心に探求する。

『永久不滅のエレガンスのルール』

たぶんわたしたちは、着こなしをアレンジしようとする前に、
着こなしの基本を知らなければいけない。
けれど、正直、だれも教えてくれなかったんじゃないかな…。

マダム・ダリオーは、手厳しいレッスンを示して、
わたしたちに着こなしの「基本のき」を教えてくれる。

その愉快さときたら!

「ジュエリー」
「エレガントな女性なら、たとえわたしと同じくらいジュエリーを愛していても、
自分の趣味趣向に走って、いくつもの飾りをぶらさげたクリスマスツリーのようになってはいけないということです。」

~『永久不滅のエレガンスのルール』ジュヌヴィエーヴ・アントワーヌ・ダリオー著 中西真雄美訳 (DISCOVER21)より~

素敵なマダムの忠言にしたがって、
おこずかいを少しずつ貯めて、
「理想のワードロープ」をそろえていきたい。

今はたった一粒の真珠しか買えない、小さな女の子でも、
永久不滅のルールにのっとって、
エレガントな女性への道を、
一歩一歩あゆんでいきたい。

指標をくださったマダム・ダリオーに反発したり感謝したりしながら、
素敵な女性になる日を、夢見ていたい。

2010.05.24

女子的 思考回路スケッチ 「マイブックレビュー」 

(岐阜県  そらい なおみさま)


「どこまで理解し合えるのかなんてちっとも判らない我々人類なのやけど、
そんな殆ど誰ともお友達になることなんてできない人類なのやけど、
きっと、きっとよ、そんな我々にも共通する「敵」というものがあるんであって、
それはそう、マンネリ、偉大なマンネリ、爽快なマンネリ……」

『そら頭はでかいです、世界がすこんと入ります』川上 未映子 ヒヨコ舎より


 夜な夜なページをめくって、
枕元を本でいっぱいにしてね、
夜独特の憂いや寂しさの間を、
こういう文字で埋めるのが、
あたしの癖でもあるんやけど、
凄いもんで、この本は飽きない。


 女子の小さな幸せや、それこそ理不尽さや、
甘さや、時には「ゴッホ」に向けた惚れ言葉までもを、
爽快かつ、心地の良いリズムで、
すっと心の横の方を通りすぎるんよ。


「シルバニアファミリー」のお話、お風呂に入るのがめんどくさいって話、普通にご飯を食べるお話、
たぶんね、普通の時間軸で測ったら、全部あまりにあっという間の出来事。うん、あっという間。
その間に横たわる思考回路の時間軸が、あたしにはとっても新鮮やった。
そしてその思考回路が、「ある、ある」捜し。作者と、あたしの。

 一度、こういう眼(まなこ)で世界を見てみたい。そう思わせてくれる、一冊。




2010.05.18

母の日に想うこと (マイブックレビュー)

(兵庫県 はまっこ さま)

小さい頃、母が何度も読んでくれた絵本を20年ぶりに読んでみた。

そして、大人になってしまった自分が少し切なくなった。

私にはもう、雪が降ったからと夢中になって霜焼けができるまではしゃぐ無邪気さはない。

街の明かりを見て、落ちてきたお星様みたいだと感じる素直な心はもうない。

自分の立場を忘れて、好奇心だけで恐ろしいものに立ち向かっていく勇気なんてこれっぽちもない。

でもそれでも、
本を閉じたら胸に幸せがいっぱいで涙があふれてくるんだ。

だって今の私には、痛いほど伝わるから。

暖かい胸のなかで世界の美しさを何度も私に教えてくれた、あのころの母の想いが。

~『手ぶくろを買いに』新美 南吉(偕成社)より~

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<文筆部活動/第11回目>

課題:「マイブックレビュー」

締め切り:5月23日(日)

総評日:5月27日(木)

課題の詳細はこちらから>>甲斐みのりさんより

投稿はこちらから>>https://www1.f-sips.com/enq/html/otome_index.cfm

投稿フォームの“課題”のところに「マイブックレビュー」と記してくださいね!

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2010.05.18

また会えるよ (マイブックレビュー)

(神奈川県 ぜらさま)


わたしたちは、女の子だった。
女の子は、たくさん話す。
そして、たくさん約束をする。
たくさん「すき」と言い、たくさん「きらい」と言う。
まっすぐだから、けんかもする。
それでもわたしたちにはまた同じ明日が来る、と信じていた女の子。


『嘘つきアーニャの真っ赤な真実』(米原万里)


読んでいるうちに、遠い昔に交わした約束、遠い昔にしたけんか、遠い昔に過ごした切ないほどキラキラした時間が、すぐそこに戻ってくる気がする。
そして、本当はそれがずうっと手元にあったことに気付く。
わたしたちは女の子で、わたしたちは女の人で、そしてわたしたちはこの世界に生きている。
抱きしめたくなるほどいとしい時間を思い出すと、「すき」も「きらい」も、また会える。




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<文筆部活動/第11回目>

課題:「マイブックレビュー」

締め切り:5月23日(日)

総評日:5月27日(木)

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2010.05.11

「何の心が残ろぞと」

(神奈川県 マメノキさま)



Sama



東京創元社 創元推理文庫 『凍える島』近藤史恵 著
ISBN:9784488427016


『あなたはこれほど、誰かを愛せますか』



以前勤めていた書店で、担当者に頼み込んで、この本を平積みさせてもらった。
本に添えたポップに書いたのがこれだ。
読了後すぐ出てきた文句ではない。しばらく本の事と登場人物の事を考えて、考えて選んだ。
この本を閉じるとき浮かぶのは、ふと思いつく簡単な感想ではない。
自分が最も愛した人の面影だ。
そして思う。自分はどれだけ相手を想っていただろうかと。


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2010.05.11

「悲しみに気付いたら」

(埼玉県 はしばみさま)


「春に」


その人のことを、なぜか可哀そう、と思ってしまい、
悲しみのようなものを感じたら、恋に落ちた証拠と、
高校のころ先輩から聞いたことがある。
恋というもの判断がつかなかったので、
妙に感心した。
(中略)
春一番が吹き、風のにおいもまじり始めた。
快いのに、時折、温かい風に、もの悲しさを感じる。
恋をしているのだろうか―。
春に。


~『フェルメールの楽器』新しい音楽の聴き方 梅津時比古(毎日新聞社)より~



音楽をこよなく愛する筆者の、
歌うような文章が印象に残る一冊でした。


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2010.05.11

サイレント・コーリングリサーチ

(北海道 マドモアゼル・タッジーマッジーさま)


“What’s  Mink?”
この文字から受ける衝撃度がかなりであった。
謎を解きたい衝動は人を惹きつける。
そして、カフェテラスからマンウォッチングしているような不思議な感覚は、またしても謎めいている。


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2010.05.11

文筆の種~顧問:甲斐みのりさんより

ミンク学園「文筆部」部員のみなさま。
こんにちは。
顧問の甲斐みのりです。


5月もすでに10日を過ぎ、夏の気配もちらほらと。
毎年、早々に衣替えを済ませるのが常ですが、今年もそう。
すでに半袖の季節を楽しんでいます。
夏用に、毎日のバックも新顔です。


>小冬さま「for a girl」

「本棚を見ればその人が分かる」とよくいいますが、
女の子のために小冬さんが紹介してくださった本によって、
お会いしたことのない小冬さんに近づいたような気持ちになりました。
それから、この5月の課題に
「マイブックレビュー」を選んでよかったなとしみじみ思ったのです。
窓を開け放った部屋の中、ゴロンと寝転び、
私もまた『すみれの花の砂糖づけ』読んでみましょう。


>nicoさま「誰かを想ってみたい」

まだたったふたり分の「マイブックレビュー」を読んだだけだけれど、
とても楽しくて、とても大切なものに出合えた喜びでいっぱいです。
本の世界に潜り込み、考えたり、書いたり、
なにかを誰かを見つめようとしたり、静かにつき動かされたnicoさん。
nicoさんを導いた本。
そして、その本を書いた作者。
「トリツカレ男」がどんな本か、覗き見させてもらったと同時に、
3つの人やものが響き合う風景を、見せていただきました。


すてきな投稿、ありがとうございます!
引き続き、「マイブックレビュー」お待ちしております。



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<文筆部活動/第11回目>

課題:「マイブックレビュー」

締め切り:5月23日(日)

総評日:5月27日(木)

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2010.05.07

誰かを想ってみたい

(兵庫県 nicoさま)



Nico



「トリツカレ男」いしいしんじ/著  (新潮文庫)


あなたはなにかに「トリツカレタ」ことがありますか?


誰もが飽きれるくらい
まるで何かにとりつかれたかのように
ひとつのことに夢中になる「ジュゼッペ」


オペラ、三段跳び、サングラス集め、外国語


次から次へと色んなものにのめりこんでいくうち
ジュゼッペは「ペチカ」という女の子に出逢います
今までトリツカレタものとは違う感覚
彼はペチカのために
自分の持っている力や技の全てをつかいます


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2010.05.07

for a girl

(三重県 小冬さま)



『ガーリッシュ』 林あまり歌/文 遠野一実イラスト (集英社)


新緑の風のような瞬間を、痛いほど鮮烈に短歌に閉じこめ、
読む人の心をドキッとさせます。
記憶が季節を駆けめぐり、少女の自分にきっと出会える
瑞々しい一冊。



『すみれの花の砂糖づけ』 江國香織著 (新潮社)


「すみれの花の砂糖づけをたべると
 私はたちまち少女にもどる」
10代、20代と著者の作品に傾倒していたのですが、
この詩集『すみれの花の砂糖づけ』をひらくと
いつだって「私はたちまち少女にもどる」のです。


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2010.05.01

【文筆部活動/第11回目】5月の課題:「マイブックレビュー」


ミンク学園「文筆部」部員のみなさま。
こんにちは。
顧問の甲斐みのりです。



今年も、ゴールデンウィークがやってきましたね。
どんな予定をたてていますか?
お休みの間、でかけず家で過ごされる方はぜひ、
文筆に挑戦してみてください。



私は今年は終日、仕事。
けれども、できるだけ夕刻にきりあげて、
夜は手にいれたまま積み上げられた本たちと向き合うつもり。
好きな言葉を見つけたら、ぺたりと付箋をはりつけたり、
毎日持ち歩く手帖に書き写したりしています。
心に留めた本の中の言葉たちは、
書く仕事をするうえで、ときに引用させていただくことも。
それから「ブックレビュー」の依頼をいただいたとき大活躍します。


「ブックレビュー」を書かせていただくことで、
自分の好きな本を紹介できることは、とても幸せで楽しい作業。
どんなきっかけでその本を手にとったか。
その本の、どんな言葉や表現に共感したのか。
読後の余韻。
基本としてそのようなことを織り交ぜながら、
本や作者の個性や雰囲気にあわせてその都度、
魅力を伝えるという着地までの道筋を選びます。
そうして、できるだけ、作品や著者に寄り添うように、
「自分の価値観」も記すことができたらと心がけています。


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2010.04.26

はじまりのホリデー

(埼玉県 ゆかりさま)



まだ羊を数えてる 羊の夢をみる
きらきらしたお星様が地上に降りていって、カーテン越しに暖かな春の休日がおとずれる。


おはよう。おはよう。
ねえ、何をしようか?


春のうたたかなホリデー 羊の眠気のもくもく、も消えていく。ああ、朝だ。昨日読みかけた本を見つめた後、アンティーク調の鏡にわたしを映し出す。


自問自答。


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2010.04.25

4月の課題「休日の過ごし方」総評★ 顧問:甲斐みのりさんより 


ミンク学園「文筆部」部員のみなさま。
こんにちは。
顧問の甲斐みのりです。


みなさんの文筆から休日気分へ誘われ、
数日後に京都へ1泊旅してきます。
今年のGWは仕事のためお休みできないため
GWの代休なのですけれど。


集まった文筆には、
すてきに休日を過ごすためのヒントがつまっていました。
どれほど休日が、だれしもにとって、
なくてはならない、希望のような、大切な時間なのかと実感。
読んでいて、気持ちが楽しくなるものばかりだったので。


「休日の過ごし方」に集まった文筆、
個人的には今までのテーマの中で、
一番、にあげたい好きな文筆揃いでした。


りーりさま「休日の過ごし方 ヒトメボレ」
小冬さま「バニラ」
はしばみさま「収納棚の宝石」
かくれんぼううさぎさま「春の夢」
マメノキさな「ある昼下がりの会話」
この5作品を、とりわけ何度も読み返しました。


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